JTCに存在しないある重要な機能

JTCキャリアハック

みなさんこんにちは。
製造業つらたんです。

この記事ではJTCには存在しないある1つの重要な機能とその問題点について解説します。

※本ブログはJTCらしい美しい資料作りを心掛けています。

私は財務からキャリアをスタートさせ、事業を作れるような人になりたいなーと思っていましたが、あるとき気付きました。

上司A「つらたんくんは今は財務だけど営業に行きたいとかある?」
つらたん「えっと、事業を作るとか、そういうことができるようなキャリアを描きたいんですが」
上司A「うん?」

先輩B「今は国内で財務だけどさ、近いうちに海外で管理の仕事したいんだよね」
つらたん「いや、国内とか海外とかはどっちでもいいんですけど、ゼロイチとかしたくて」
先輩B「それってどういうこと?」

…そう、僕の会社のキャリアの選択肢には営業畑or管理畑×国内or海外の掛け算しか存在しなかったのです!

そしてそれはある重要な機能(職種)が存在していないことへの気付きでもありました。

企画です。

部署としては存在する企画

存在しないと断言した企画ですが、〇〇企画みたいな部署があるではないかとのご批判があるかと思います。

ですが、私の経験と他のJTC企業を見渡す限り、企画を担っている部署はほとんどないように思います。部署名と機能はリンクしないというのはJTCあるあるです。

経営企画部
経営に関する企画をしているかのようなネーミングですが、その実際は経営管理と役員に指示されたことを調査しているだけの部署であるケースがほとんどです。

経営管理については、役員の納得する数値を作るべく、日々鉛筆をなめなめしています。悲しいことに僕の得意業務です。

また、できるJTCになると、攻めのファイナンスを自負してM&Aなど企業価値を向上させるための施策の検討・実施を担っている人たちがいたりします。ですがこちらについても、経営者の熱い想いを実施する実動部隊であるか、銀行やコンサルが持ってきた話を考える受け身部隊かのどっちかまたはどっちもな人たちです。

詰まるところ、経営を企画しているケースはほぼ皆無でしょう。

事業企画部
事業を企画しているようなネーミングですが、その実際は役員がやりたいことを調べてそれっぽくまとめているだけのことがほとんどです。酷い場合だと言われたことをそれっぽいコンサルに業務委託して調査させているだけのところもある気がしています。

たまにほんとに事業を企画してきた強い人がキャリアで採用されますが、「あれ、ここって事業企画部なんだっけ…?」と違和感を覚え1,2年で退職していきます。その光景はもはやJTCあるあるです。

そんなわけで、部署としては「企画」は存在するものの機能としての企画は存在していないというのが私の考察です。

あるとしたら、そこそこの規模のJTCでちょっと偉い人から「ユー、若者の発想でなんか新しいこと考えチャイナ」とワーキンググループ的に若手が企画を任せられるくらいでしょう。

なぜ企画が存在しないのか

そもそもなぜ企画の機能が存在しないのでしょうか。たぶんこんな背景に起因しているんだろうなと思っています。

①今まで無限にニーズがあった
とくにインフラ系JTC、重工系JTC、官公庁向けに事業を展開しているJTCなどにありがちなのがこれです。高度経済成長の時代、誤解を恐れず言うならば、マーケットは拡大の一途を辿っていたため、正しく作って正しく売って正しく管理していれば大安泰だったのでしょう。

②イノベーションのジレンマが組織構造にまで及んでいる
トップを走る大企業が、自分たちの重要なケイパビリティである技術や商品を保持し続けたいがためにイノベーションが起こることを恐れ、自らイノベーションを起こすことはない(できない、したくない)というのがイノベーションのジレンマです。長らく業界のトップを走ってきたJTCではこれが組織構造にまで波及し、徐々に企画の機能が低下してきたのではないかと推察します。

③企画系の部署はなんらかの成果を上げたエリートが通過する場所になってい
「あれ、企画ってなんだっけ?」状態になると、本来は専門性が求められるはずの企画の仕事は「なんらかの成果を上げたエリートが行くところ」になります。前述の通りJTCには営業畑か管理畑しかないため「営業か管理のどちらかで成果を上げたエリート」がいくところになります。その結果「俺は一人で100億売り上げたんだぜ!難しいことは分からん!」みたいな人や「財務3年、経理4年、事業部管理5年やってきました。ファイナンスの専門性あります。」みたいな人が急に企画をやらせれて、よくわかんないけど企画した気がするみたいなノリで3年後また異動するみたいなことが行われます。

企画機能がないと何が問題なのか

ここまでくると、JTCにとって企画とは何なのかが分かってきます。

JTCにとって企画とは、科学・専門性ではなく、アイデア・センス・雰囲気なのです。

みんな企画案みたいなものは何か天才的なひらめきや朝目が覚めたら夢でお告げがあった的に思いつくものと思っているのです。

さらに新規事業の企画とかになると経営者の思いつきや成功体験を基にして取り組まれるケースが多いため、決してうまくいきません。

若手にとってチャンス

企画機能が抜け落ちているJTCはなかなかヤバいわけですが、若手にとってはチャンスなんじゃないかと思っています。

正しくモノづくりをして正しく管理をすれば会社が成長する時代は終わりました。マーケットのニーズを探し、儲かる仕組みを作ることがこれからのJTCには求められています。ですので、科学的に企画ができる力は今後求められてくるはずです。昨今JTC界隈でCVCが流行っているのは、今まで稼いできたキャッシュで企画を買っているとも言えるのではないかなと思っています。

そうなると、まずはキャリア採用で即戦力となる人材を獲得していくはずです。そして遅かれ早かれ今後は若手の中でポテンシャルの高そうな人材をピックアップして企画人材として育てていくのではないかと推察しています。日々のルーティーンに飽き飽きしている人たちは、ぜひチャレンジしてみると良いと思います。

企画というより事業開発

ここまで散々、企画企画と言ってきましたが、「マーケットと向き合い事業を作る」というところにフォーカスした企画ということだと、企画というよりも事業開発の方が今日的でより適切な表現かもしれません。

事業開発とは、文字通り事業を開発する機能です。事業を開発するとは、マーケットと向き合い仮説建てを行い、顧客を探して売り込んで、ダメだったらまた仮説を再構築し、事業として成り立たせるために必要なリソースを持ってきて、投資対効果を考える…つまりは、分断されていたそれぞれの機能を事業化のために横断しながら組み合わせていくことが求められます。

スタートアップではBiz-Dev職などといって親しまれている職種ですね。

さいごに

一応予防線を張っておくと、JTCの中でも、toCのメーカーはちゃんと企画をしているところも多いんじゃないかなと思います!(雑)

みんなでROS4%でひいひい言う世界から脱却するべく、企画して事業開発していきましょうー!(雑)

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